保険証を紛失した場合の再発行の手続きや料金、期間はどれぐらい?始末書の書き方や悪用を防ぐ4つのポイント!
2017/03/25
保険証といえば、社会保険に国民健康保険。
この保険証を紛失した!となれば、いやー、これはかなり焦ります。
というのも、病院に行かないと行けない場合の料金の心配や、身分証明証にも使えることから、悪用されたらどうしよう!っていうことですね。
勿論再発行の手続きが必要ですが、失くしたことばかりに気が行ってしまい、手続はどうすればよいのか?何を対応しないといけないのか?まで中々頭が回らなかったりします。
もしかして会社で始末書などを書かないといけないのか、などなど、どんどん悪い方向にも思いがめぐります。さぁ、大変!
ここでは実際に紛失した時は勿論ですが、仮に紛失しても冷静に対応できるよう、再発行の手続きから、警察に届け出るなど、紛失した時にに行わないといけないことを1つ1つ見ておきましょう。
紛失した時の再発行手続きはこれだ!
保険証再発行の手続きは、お持ちの保険証の種類によりますが、以下のようになります。
- 1)公務員含め、会社勤めの方
- 公務員含め、会社勤めの方は社会保険となりますが、まず会社、お勤め先の関連部門に連絡し、そこで再発行手続きを行います。
- 2)一般の場合
- 会社勤めではない方、自営業などでは国民健康保険になりますが、市役所での再発行手続きを行います。
- 3)扶養の場合
- 親や、夫、妻などの配偶者の扶養となっている場合では、あなただけでは再発行の手続きはできません。
- 親や配偶者に連絡し、手続きをして貰う必要があります。
では、1つ1つ詳しく見てみると、...
1)公務員含め、会社勤めの方の手続き(社会保険)
連絡先
「保険を扱う部署」が分からなければ「まずは総務部」へ連絡です。
紛失したことは言いづらいですが、いざという時、必ず必要な物になりますので、思い切って一気に切り出してください。
また、言い出せずにズルズル過ごしていると、見つかって会社に届けられた、などとなれば、事態は悪い方向に行きかねません。
手続き
再発行のための所定の用紙に記入して手続きをする、ということになると思います。紛失届と再発行のための申請書などですね。
管轄部門の指示に従って粛々と手続きを行う、という形です。
「紛失証明」が必要になるという場合には、事前に警察への紛失届けは必須で、届け出た警察署に紛失証明書を発行して貰う必要があります。
紛失証明証が発行されるまでの期間で言えば、即日発行、となると思いますが、詳しくは警察署での確認が必要です。
ちなみに交番への紛失届の場合は「紛失証明」ではなく、紛失届の「受理番号」がもらえるようです。
参考)全国健康保険協会の手続き
協会けんぽでは、以下のページに保険証を失くした時の対応が詳しく書かれていますので、参考にしてみてください。
以下の申請書類のフォーマット、記入例もありますので参考にしてみてください。
- 「健康保険被保険者証再交付申請書」や
- 「健康保険高齢受給者証再交付申請書」(70歳以上75歳未満の方)
2)一般の場合の手続き(国民健康保険)
では同様に、一般の場合(国民健康保険ですね)の保険証の再発行手続きについて見てみましょう。
連絡先
「市役所」(市町村の役場)です。
早速市役所に行って手続きをしましょう。
手続き
市役所の窓口で手続きをする際には、
- 本人と確認できる身分証明証(運転免許証、パスポートなど)
- 印鑑
を、忘れずに持って行ってください。
本人確認が出来ない場合、後日住所宛てに郵送となるようです。
(こうすることで、住所確認の意味が込められているようですね)
3)扶養の場合(子供が失くした!も同じ)
親や配偶者の扶養となっている場合、つまりあなたが子どもや主婦(主夫)の場合、あなただけでは再発行の手続きはできません。
親の扶養でも配偶者の扶養でも、扶養している人が会社などに紛失したことを伝え、再発行手続きをしてもらう必要があります。
激怒される!
と、怒られる方が怖いと思われるかもしれませんが、そこはまぁ、失くしたものは正直に言うしかありません。
(え?あそこに置いてあるよ、なんてなれば、一番よいですが ^-^;) )
この場合でも、仮に大きな影響を受けるとしたら、それはあなた自身ではなく、会社などで届け出る親や配偶者です。
自分の不始末ではないのに始末書を書かされ、関係部署に書類を提出しといったことをしないといけないとしたら、やはり怒られるぐらいは甘んじて受けなければいけませんね。
4)紛失証明書はどこで発行してもらう?
会社における手続きなどで、保険証を紛失したことを証明する紛失証明証などが必要になることがあります。
紛失証明証は警察署で発行してもらえるので、警察署に紛失届をだしてください。
また警察に届け出をすることは、下の方に出てくる紛失による不正利用防止にもなりますので、
とにかく紛失したらまずは警察署へ!
といことが大切です。
- ※)警察署と交番の違い
- 紛失したことの届け出は交番でも良いですが、交番では紛失届の受理番号しかもらえないようです
- 受理番号ではなく紛失証明書が必要な場合は、届け出た交番にまず相談。
- 警察署しか発行できない、ということになれば、面倒ですが警察署で必要な届け出を行う、ということになります。
恐怖の始末書が必要な場合
会社では、場合によっては保険証紛失に対する「始末書」を書く必要もありますので、覚悟を決めてくださいね。(いや、書くだけで評価にも何も影響はないと思いますが、そこは会社によりますので ^◇^)ゞ)
会社勤めの多くの方が意識してないかもしれませんが、実は保険料の半分は会社が負担しています。
つまり、あなた個人のものを紛失した、という性質のものではなく、半分は会社のもの、会社と共有しているものを紛失した、という位置づけになりますね。
その辺りを念頭に「なんだよ、面倒だ」などとは思わないで必要なことは粛々と進めましょう。
1)始末書を書くときのポイント
始末書、となると、そうそう書くものではありませんので、書くときのポイントを少しあげておきます。(私は経験あり ^◇^)ゞ)
ネットなどで調べて例文などその通り丸写しとなっては、それが判明した時が最悪です。自分の言葉で、気持ちを込めて書くことが大切です。
可能な限り簡潔に分かりやすく書くとともに、自己弁護、他の人のせいにするような事を書くのは厳禁であること、留意してください。
2)始末書に記載する事項と例文
- タイトル(始末書)
- 宛先(報告先)
- 年月日(報告日)
- 部署名(あなたの所属)
- 氏名(あなたの氏名)
- 本文(事の顛末とこれからの対応)
- まずはお詫び(不注意より失くしたことに対する謝罪)
- 紛失の経緯
- 事後対応(警察に届け出はしたか、その後見つかったか、警察での状況はどうなっているか)
- 今回のことをどう思っているのか
- 今後に対しての再発防止はどう考えているか
- 発見した場合の対応はどうする予定か
これらを元にして、例文を以下に載せておきます。
ご自身の情報により加筆修正して、反省していることをしっかり文面に表してくださいね。
- 始末書
- ○○(部署名 ○○健康保険組合など)
- ○○様
- xxxx年xx月xx日
○○(ご自身の部署名) ○○(氏名) - この度は、私の不注意により大切な健康保険被保険者証を紛失し、
誠に申し訳ございませんでした。 - 普段、財布の中に入れて所持しておりましたが、xx月xx日、帰宅後、保険証がないことに気が付きました。
- 保険証を最後に確認したのはxx月xx日で、その間に移動したのは会社との往復だけになりますので、通勤経路で紛失したとなります。
- そのため、紛失に気が付いた後、すぐ、通勤経路にあるxx警察署、xx鉄道には紛失届を提出しております。xx月xx日時点で状況を確認しましたが、まだ発見されておりません。
- 健康保険被保険者証は大切なものであり、普段財布という常に持ち歩くものに所持していたのにもかかわらず、不注意により紛失してしまったこと、言い訳のしようもございません。
- 今回の紛失により、今後は、財布ではなく、家の所定の場所を確保して、その場所に常に保管しておく、定期的に所在を確認する、ということで再発防止していきます。
- 今後発見した際には、即座にご連絡申しあげます。
- この度は大切な保険証を紛失し、ご迷惑をお掛けして大変申し訳ございませんでした。
- 以上
こうならないよう、健康保険証含め、会社関連のものは、最新の注意を払って、定期的にある、なしを確認してみましょうね。
紛失による悪用を防ぐには?悪用された時の行動はこれ!
1)悪用を防ぐためには、即効で警察へ届ける!
保険証の紛失で気にすべきポイントは、
- 保険証は身分証明証の代わりに利用できる
ということです。
以前より審査が厳しくなっているとは思いますが、それでも、失くした保険証が悪用されて、例えば消費者金融に使われた、などとなると大きなトラブルのもと。
紛失しても、とにかく不正使用から身を守る、ということから、最寄りの警察署、交番などで、紛失届を出しておくことがとても重要になってきます。
紛失届を出しておけば、何があっても、紛失していて無効、ということを第三者機関(警察)で証明することも出来る、ということですね。
何かの悪用やトラブルといえば「国民生活センター」の出番ですが、国民生活センターでも以下の様なアドバイスがされています。
- 国民生活センター
悪用が心配される健康保険証や運転免許証の紛失
- 【要約すると】
- 健康保険証などを身分証明書として利用する消費者金融もあり、被害を防ぐためには早急な対応が必要
- まずは最寄りの警察署と発行元にすぐに届け出ることが必要
- 健康保険証であれば健康保険組合か全国健康保険協会へ届け出ること
- 再発行の手続きについても発行元に確認すること
- こうした被害を防ぐ方法の1つとしては「本人申告制度」がある
最後に出てきた「本人申告制度」については、少し下の方を見てみてください。
2)不正利用により悪用された場合の対応!
上にある「国民生活センター」のリンクには以下の様に補足されています。
- 【補足として】
- 1)万一悪用された場合、請求に応じて支払わなければならないということはない。
(本人が実際契約したものではないため) - 2)不正利用により、仮に、消費者金融などから請求があった場合は、無視せずに、警察や消費生活センター等に速やかに相談すべし。
- 1)万一悪用された場合、請求に応じて支払わなければならないということはない。
万一悪用された場合の対応の仕方が簡潔に言われていますが、この2つ目「無視せず相談すべし」については、以下の意図ですね。
- 警察や消費生活センター等に速やかに相談とは
- 不正請求が会っても「知りません」と請求元に言ってばかりは埒が明かなくなる、という恐れもあり、警察や消費生活センター等に相談することにで「不正使用により無効」であることが早くに明確化され、問題解決のスピード化が図れる!
知りません、払いません、
と言うだけで収まればいいですが、そこは相手も商売です。
自体を早急に解決するには無視するだけでなく、警察、消費生活センター等に大至急で相談しましょう。
3)覚えておきたい「本人申告制度」とは
参考までに「本人申告制度」とはどんなものか、といえば、
- 身分証明書(ここでは保険証)の紛失の情報を、
- 「個人信用情報機関」に登録することで、
- 銀行、消費者金融等が審査をより慎重に行うことが出来るようにする
といった制度です。
つまり、消費者金融や銀行もお金を貸すなどするときに、提出される身分証明証などに不正がないか、事前にこの「個人信用情報機関」の情報を参照します。
ということから、この「個人信用情報機関」に保険証を失くしたことを登録することで、仮に誰かが不正に利用しようとしても
「お!これは紛失した保険証だ!不正使用だ!」
と分かり
「これではお金は貸せないな」
となって、不正利用を未然に防ぐ!ということが出来るんですね。
代表的な機関として以下3つが紹介されています。
- 本人申告制度の代表的な3つの機関
- 株式会社 シー・アイ・シー(クレジット系)
- 全国銀行個人信用情報センター(銀行系)
- 株式会社 日本信用情報機構(消費者金融系)
各々どのようにこの「本人申告制度」が紹介されているかを見ると、
- 株式会社 シー・アイ・シー(クレジット系)
http://www.cic.co.jp/declaration/- 手続き: 郵送、または窓口で手続きができる
- 情報の有効期間: 本人申告情報は、登録日より5年間有効
- 手数料: 1000円(郵送) 無料(窓口)(2016年5月現在)
- 全国銀行個人信用情報センター(銀行系)
http://www.zenginkyo.or.jp/pcic/return/- 手続き: 郵送のみ対応
- 手数料: 郵送料の392円分の切手(2016年5月現在)
- 日本信用情報機構(消費者金融系)
https://jicc.co.jp/kaiji/comment/index.html- 手続き: 郵送、または窓口で手続きができる
- 情報の有効期間: 本人申告情報は、登録日より5年間有効
(本人からのお申込みで削除することも可) - 手数料:500円(窓口)、1000円(郵送)(2016年5月現在)
申請のための書類や必要な添付資料などの説明がしっかりされてますので、詳細情報はリンク先をみてみてくださいね。
4)紛失した保険証が子供のものでも悪用される?
紛失した保険証が子供のものであった場合、消費者金融などで仮に悪用されたとしても、そもそも未成年の借金は保護者(親)の承諾がなければ無効です。
なにかあれば、上に出てきた国民生活センターなどにすかさず相談しましょう。
勿論警察に紛失届は出しておきましょう。
再発行の料金や期間
1)再発行の料金や期間はどれぐらい?
保険証の再発行にかかる料金は、と少し気になるところですが、社会保険であれ、国民健康保険であれ、
再発行は無料!
また、再発行期間は以下となります。
- 再発行期間の目安
- 社会保険証: 1~3週間程度
- 国民健康保険: 即日(市役所の窓口手続きの場合)
郵送での手続きの場合は、勿論即日とはいきません。
また郵送にかかる日数分、1週間程度みておけば、という感じだと思います。
2)再発行後、以前の保険証は有効?
めでたく保険証も再発行された、良かったー、となっても、
あれ?では以前の保険証はどうなる?
と疑問が残ります。
既に新しい保険証が発行されれば、勿論以前のものは無効です。
こんな場合はどうなる?
最後は、保険証の紛失に関連して「病院の診察」はどうなるか、また、なくなった保険証が見つかったらどうなるか、を見てみます。
1)保険証がない!病院の診察はどうなる?
紛失にかぎらず、保険証を忘れてしまった!など、病院に行く場合はどうなる?ですが、勿論診察は受けられます。
ただし、当然保険が利用できない、ということから実費での支払いになります。
保険証が再発行されれば、再精算してもらえるので(多く払った分もどってくるので)領収書はしっかり保管しておき、保険証と領収書を持って、再び病院を訪れてみてください。
事前に窓口で「保険証をお願いします」とまず提出を求められるのが普通ですので、この時に、紛失や家に置き忘れた、などの説明をして、対処方法をしっかり確認しておいてくださいね。
2)紛失した保険証が見つかった!
再発行手続きをする前に見つかれば、勿論何をする必要もありませんが、再発行手続きをしている最中や、再発行後に、紛失した保険証が見つかった!という場合にどうするか、を見てみます。
- 保険証が見つかった!
- 警察へ紛失届を出している場合: 見つかった旨の報告をする
- 再発行手続きをしている最中: 再発行されたら、新しい保険証を使い、古い保険証(見つかった保険証)は発行元に返却します。
- 再発行後に見つかった場合: 古い保険証(見つかった保険証)は発行元に返却します。
見つかれば、誰かに不正利用される、といった心配がなくなるので良いですね。古くなった保険証はしっかり発行元(会社や市役所などに返却)に返却しておきましょう。
ちなみに、なぜ返却する必要があるのか、すでに有効期限切れで利用できないのになんで?と思われるかもしれません。
市役所などに直接聞いたわけではありませんが、しっかりと個人情報などが書かれているものですので、いらないから、と安易に捨てられたりすれば不正利用の元になるかもしれない、というのは容易に想像できます。
また再発行などをした場合、すでに無効となった保険証でも記載上は有効期限内となっていて、間違って使用したりすると医療費などの請求が後から来る、とうことにもなります。(こうなると結構面倒です)
ということから、発行元の責任として、不要になったものはしっかり返却してもらい、余計な火種は消しておく、というところが、この返却理由になってくると思います。
整理とまとめ
- 保険証を紛失したら、まず警察に届ける
(不正利用防止とともに、紛失証明がもらえる) - 会社や市役所で再交付の手続きを行う
(手続きには紛失証明が必要になる場合がある) - 悪用されてないために「本人申告制度」というものがある。
- 保険証の再発行は無料
- 再発行後は、勿論以前の保険証は無効(見つかったら発行元に返却)
- 病院の診察では、保険証がない場合には全て自費になるが、保険証が新たに発行されたら、差額が返却される
保険証利用の身近な例では、歯医者さんなどに通う方はよく使うかもしれませんね。
普段利用しない人ほど、いざという時に「あれ?どこだ?えー、失くした!?!?」となると思いますので、保管場所は必ず一定のところにして、家族内で周知しておく必要がありますね。
紛失した場合には再発行は出来ますが、一番心配なのが不正利用です。すみやかに警察にとどけるとともに、本人申告制度などを活用し、トラブルが起きないよう対応することが大切です。
「紛失したのが分かると怒られる!」(ひぇ~)などと考えず、なくしたら速やかに関係者に報告しましょうね。
終わり良ければ全て良し、というやつですよ!