保険証切り替えは期間内でないと大変!病院の受診や扶養の手続きも確認する!

2017/01/13

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会社を退職したり就職したりする時に必ず必要となる保険証の切り替え。

切り替えはしっかりしておかないと何かと不安でが、その中でも切り替え期間が指定されてますので、この期間内に手続きを終えておくことがとても大切になってきます。

国民健康保険などは、期間内に加入手続きを終えなくても実はその後でもできますが、大きなデメリットを抱え込むことにもつながりかねません。

ここでは、切り替えの期間や手続きの場所、その必要書類から、切替中で保険証がない!といった場合の病院受診、扶養になる場合の手続きなど、保険証の切り替えに必要となる対応を一通り解説しています。

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●保険証の切り替え3つの選択

会社を退職すると、退職日の翌日をもってそれまで加入していた社会保険を脱退することになりますが、その後の医療保険の選択肢としては以下3つあります。

  • 1)健康保険の任意継続
  • 2)国民健康保険(国保)への切り替え
  • 3)扶養への切り替え

これら3つはどのような手続きを行えばよいか、まずは1つ1つ見てみましょう。

ちなみにこの記事では便宜上、会社にお勤めの場合に入る保険については一般によく使われている「社会保険」という言葉で説明しています。

本来「社会保険」とは、労災保険や雇用保険、厚生年金保険などトータルとして指す言葉のため、そこは混乱しないようにしてくださいね。
(医療保険の中では、社会保険は「職域保険(被用者保険)」という言い方をします)

1)健康保険の任意継続

社会保険では、中小企業などの「協会けんぽ」、大手企業の「健康保険組合」、公務員の共済組合、船員保険などがありますが、退職後は任意継続(退職後も同じ保険に継続してい入ること)が可能です。

国民健康保険と任意継続のどちらが良いかは、下方を参照してみてください。基本は「保険料で比較する」となります。

保険の任意継続については、退職時に手続きの仕方、手続きが有効な期間の説明などがありますので、しっかり確認してみてくださいね。

切り替え期間は基本は20日以内の手続きとなっており、加入期間は2年間まで可能、となります。

以下「協会けんぽ」の場合どうなっているか見てみると...
協会けんぽのページはこちら

対応項目 概要
切り替え期間 退職日から20日以内に任意継続の手続きが必要
任意継続条件 退職日まで継続して2ヶ月以上の被保険者の期間があること
手続きの場所 協会けんぽの都道府県支部(協会けんぽのページを参照
必要書類 「任意継続被保険者資格取得申出書」(協会けんぽのページを参照
加入できる期間 2年間

また「健康保険組合」の場合、会社の組合に問い合わせが必要ですが、切り替え期間や条件などは同じです。

以下、健康保険組合(NTT健康保険組合)の例です。
NTT健康保険組合はこちら

対応項目 概要
切り替え期間 退職日から20日以内に任意継続の手続きが必要
任意継続条件 退職日まで継続して2ヶ月以上の被保険者の期間があること
手続きの場所 事業所
必要書類 「任意継続資格取得申請書」「被扶養者異動届」
加入できる期間 2年間

また、以下、共済組合(文部科学省共済組合)の例です。
文部科学省共済組合はこちら

対応項目 概要
切り替え期間 退職日から20日以内に任意継続の手続きが必要
任意継続条件 退職日まで1年以上組合員であること
手続きの場所 所属支部
必要書類 申請書
加入できる期間 2年間

この文部科学省共済組合の例では、任意継続条件が「1年以上組合員であること」となり、共済健保や健康保険組合とは異なるんですね。

切り替え期間は、退職日から20日以内であること、加入できる期間が2年間であることは全てに共通しています。

2)国民健康保険へ切り替え

日本では「国民皆保険」(こくみんかいほけん)という制度となっています。

全ての人はなんらかの医療保険に入っている必要がある、ということであり、つまり、退職して社会保険の資格を喪失すると、ご家族の扶養に入らない場合には、自動的にご存知「国民健康保険」(国保)の加入者となります。

ということから、退職した日の次の日に別の会社に就職しない(次の就職まで1日以上の空白期間がある)場合には、手続きをする、しないにかかわらず、強制的に「国民健康保険」に入ることになり保険料が発生するということになります。
(保険料支払の義務が発生するということ)
(ただし対象は月の末日に加入されている方

2-1)国民健康保険加入の必要・不要 

社会保険の喪失は、退職日の翌日です。

「以前の職場を退職した日」の次の日に「次の職場へ就職した」という場合には国民健康保険への加入は不要ですが、次の就職まで1日でも間があれば国民健康保険への加入が必要となります。

  • 国民健康保険への加入が必要: 次の就職まで1日でも間があく場合
  • 国民健康保険への加入が不要: 退職した翌日に次の就職をする場合

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2-2)国民健康保険の切り替え期間と手続き

国民健康保険への手続きは自分で行う必要があります。

いざという時になくてはならない保険です。速攻で市役所に出向いて手続きを行いましょう。

手続き場所 社会保険の喪失日(退職日の翌日)以降にお住まいの市区町村で手続き
必要書類

「身分証明書」、「印鑑」、「退職日が確認できる書類」
 
※)退職日が確認できる書類
「社会保険の資格喪失証明書」「雇用保険の離職票」「退職証明証」など
(これらの書類を必要としない市区町村もあります)

同じ名前でない場合もあるかもしれませんが、会社に退職日が確認できるもの、退職証明証をください、と言えば良いと思います。

切り替え期間 退職日の翌日から14日以内(2週間以内)
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2-3)必要書類がない!至急手続きしたい!という場合

場合によっては、

  • 書類が揃わなくて手続きができない!
  • 書類がなくても至急で切り替え手続きしたい!

ということもあると思います。
その場合には、まずは市役所に相談してみてください。

書類が揃わない、という場合

書類の名前に惑わされず、とにかく退職日が確認できる書類であれば、手続きができます。

書類がなくても、という場合

市役所へ相談して市役所から会社へ確認してもらった例も多くあります。
(市役所から会社へ在籍日などを確認してもらって手続きを進める例です)

書類がなく市役所から会社へ確認してもらう、という場合には、事前に会社の関連部門(人事部など)の電話番号を調べておいた方がスムーズです。

あらかじめ、会社の名前、人事部の電話番号 ご自分の名前 などを紙などに書いたものを持参すると良いですね。

2-4)14日以内に手続きしないとどうなる?

国民健康保険の加入手続きでは、退職日の次の日から14日以内、と規定されています。

では、14日過ぎると加入手続きができないか、といえば「できます」

国民健康保険は、社会保険が失効すると、手続きしなくても自動的に強制加入となります。国民皆保険制度によるものですが、保険料だけはしっかり発生している、ということになりますね。

※)国民健康保険は月の末日に加入している方のみが保険料の対象です

14日に以内と定められている理由

手続きが「14日以内」と定められている理由は、と言えば...

14日を過ぎると、社会保険が失効した後に仮に病院へ行く必要が出てきたとしても、かかった医療費には保険が適用されず、払い戻しができません。つまり「全額負担」となるからです。

  • 14日以内に国民健康保険への加入手続きをしない場合
    医療費は払い戻しができない!全額負担になる!

保険料だけはしっかり発生しているのに、保険の適用ができない、となると、もうなんといっていいやら分からなくなります。

普段元気でも、いつどうなるか分かりません。国民健康保険への切り替えは、真っ先に行ってくださいね。

2-5)任意継続と国民健康保険、どちらが良い?

退職で悩むのが、「保険の任意継続」をすべきか「国民健康保険に切り替える」べきか、ということです。

健康保険制度として受けられる内容は同じなので、ここは「保険料で判断する」といことになります。

実際にどうなるかは、国民健康保険では市役所、任意継続ではそれまでのお勤め先の健康保険組合等に確認が必要ですが、国民健康保険は前年の収入に対して保険料を決めるため、任意継続するほうが安くなる、というのが一般的なようですね。

3)扶養へ切り替え

国民健康保険には入らず、ひとまず家族の被扶養者(扶養に入る)として、扶養者の保険にはいる、というのもあります。

ただ、扶養に入るには勿論条件があり「協会けんぽ」の説明を見てみると、

  • 被扶養者となる条件
    • 同居していない場合
      配偶者、子、孫および弟妹、父母、祖父母などの直系尊属
    • 同居している場合
      上記以外の3親等内の親族
      (兄姉、伯叔父母、甥姪とその配偶者など)
      内縁関係の配偶者の父母および子
    • 被扶養者の認定
      被保険者により主として生計を維持されていることと、更に細かい収入条件

いろいろときっちり条件がありますね。
詳しくは、以下の協会けんぽのページを見てみてください。

3-1)切り替えの手続きと必要書類

扶養への切り替えの手続きと必要書類は以下のとおりです。

項目 内容
扶養の手続き 被保険者が社会保険の場合は、被保険者が勤務する企業、会社へ書類の提出
必要書類 健康保険組合が各々独自に決めているため、勤務先の組合に確認

必要書類については、会社から「健康保険被扶養者(異動)届」をもらうことになると思いますので、そちらに記入すればよいです。

また、場合によっては「国民年金第3号被保険者変更届」「年金手帳」「所得証明書」も必要になる場合がありますので確認してみてください。

3-2)扶養に入る場合の注意点

扶養に入る前に国民健康保険に加入している場合には、扶養に入ることで(配偶者などの健康保険に入ることで)自動的に国民健康保険から脱退となるわけではありませんので注意が必要です。

国民健康保険の脱退の手続きが必要となりますので、お忘れなく。

  • 国民健康保険の脱退手続き
    • 手続き: 市区町村の役所
    • 提出資料: 脱退届
    • 添付資料: 新しい健康保険の保険証のコピーなど

脱退についての詳細は、市役所に確認してみてください。郵送でも処理できるようですね。

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●保険証切り替え中の病院受診

1)保険証がなければ自己負担

退職、就職したり扶養に入る、といったことで保険の切り替えになりますが、この切り替え手続き前に病院受診したらどうなるか。

勿論保険証が無いわけですので「全額自己負担」となります。

2)必要な対応

保険証切り替え中や家に忘れてしまった!など、保険証がない場合の必要な対応としては

  • いったんは全額自己負担で支払い、
  • 保険証を入手したら、診察時のレシートと保険証を持って病院へ、
  • 病院にて払い戻しを受ける

となります。

一ヶ月以内なら払い戻しができる、など、払い戻しができる期間や条件など、病院の窓口でしっかり確認しておくことが重要です。

退職などによる国民健康保険への切り替えでは、保険証がなく自己負担になっても「退職日の次の日から14日以内」に国民健康保険の加入手続きを行えば、払い戻しができます。

逆に言えば、この「14日以内に手続きをしない」場合には、払い戻しはできまません。

これはルールとして決まっているものであり仕方ありませんね。

例え「14日以内に手続きをしていなくて払い戻しができない!」となった場合、病院の窓口や市役所などに「払い戻ししてください!」と言っても、できないものはできない、となりますので注意が必要です。
(しっかり手続きしなかったあなたが悪い、と言われてしまいます)

  • 保険証の代わりになるものがないか、については、すぐ下の「保険証がない場合、代用できるもの」を見てみてください。

●いろいろなケース

1)保険証がない場合、代用できるもの

会社へ入る場合でも、入社してすぐに保険証をもらえるわけではありません。

手続きの関係上、保険証が来るまでに何日かかかるわけですが、その間の病院受診で保険を利用したい、という場合には、「健康保険被保険者資格証明書」というものがあります。

協会けんぽ(全国健康保険協会)、または健康保険組合に確認してみてください。

ただ「健康保険被保険者資格証明書」の交付にも時間がかかるようで、あまり利用されていないという話もあります。

  • 参考)
    健康保険被保険者資格証明書を交付するときの手続き|日本年金機
    http://www.nenkin.go.jp/

「健康保険の加入手続き中である旨」の証明書を会社に発行してもらい、それを病院側が承認すれば、という話もありますが、これはかなり厳しいと思われます。

というのも、病院側にしても、保険番号がないと医療費を保険組合などに請求できない、つまり病院側持ちになってしまうからで、中々受け入れられるものではありません。

2)自己負担で手持ちのお金がない!といった場合

医療費を全額自己負担で高額となったりして「手持ちのお金がない!」(財布の中に千円しか入ってなかった!)といったようなご経験、ありますか?

こんな場合はどうすれば良いか、といえば、これはもう病院と相談するしかありません。

病院というと人を助ける所だからなんとかしてくれる、と思っていても、慈善事業では勿論なく、経営されている1つの会社のようなものです。

特にお金はどの世界でもシビアなもので、そこには診療といえど定まった厳しいルールがあります。

中には支払わず逃げてしまう人も多くいるようで、病院から見れば、あなただけではなく全ての人に対して自己を守る事を考えなくてはなりません。

病院側の立場に立てばお分かりになると思いますが、近くのATMや銀行などに行ってお金をおろしてくる、ということもルールに則った中での仕方のないことなんですね。

かかりつけのお医者さんの場合では、古くからの確実な信頼関係があれば、会計保留ができる可能性もないこもありません。(馴染みの店でつけといて!というようなものですね!)

この場合でも、上の場合と同じく、ルールに則ってしっかり支払いをする、ということが必要なのは変わりありませんので「古くからの馴染みだから」では済まされることではなない、ということには気を付ける必要があります。

3)遠方などで保険証なしに病院にかかったら?

出張や旅行など、行くのにもの凄く時間がかかる場所で病院受診をした時、保険証がなかった!全額負担になった!といった場合の対処はどのようにすれば良いでしょうか?

近くの病院であれば、一ヶ月以内に保険証とレシートを持って再び訪れ、払い戻しを受ける、ということができますが、遠方となるとおいそれと行けません。

こういった場合は、加入している健康保険証の発行元(協会けんぽ、市区町村、健康保険組合など)に療養費の申請をすることで払い戻しが受けられます

  • 療養費の申請
    • 申請先:健康保険証発行元(協会けんぽ、市区町村、健康保険組合など)
    • 申請書:健康保険療養費支給申請書

4)古い健康保険証を使ったら

新しい保険証をもらった後、古い保険証を使用してしまった!ということもあります。

会社の就職、退職などに伴い、保険証も新しくなりますが、つい古い保険証を使ってしまった、というケースですね。

こういった場合には、三ヶ月ぐらいすると市役所などから「請求書」と「診療報酬明細書」(レセプト)が届きます。
(既に無効となっている保険証が利用されたため、保険料の正しい手続きができなかった)

ということで、

  • 1)まずはその支払いをする
  • 2)健康保険証発行元に療養費の申請をする

という手続きをすることになります。

  • 療養費の申請
    • 申請先:健康保険証発行元(協会けんぽ、市区町村、健康保険組合など)
    • 申請書:健康保険療養費支給申請書
    • 添付書類:診療報酬明細書、領収書

ちなみに支払期限は定められていないようです。
とはいいつつも、気分的に早めに支払いはしましょうね。

あとで必ず請求が来ます。つまりあなただけではなく、いろいろな方にその手間を取らせる、ということになりますので、古い保険証は絶対使ってはダメ!ということです。

関連:保険証の一問一答!疑問、トラブルはこれで解決!

今回の整理とまとめ

  • 会社を退職した場合、健康保険の任意継続、国保への切り替え、扶養への切り替えの3つの選択肢がある
  • 退職した日から次の就職まで間があく場合は、必ず国民健康保険、または扶養への切り替えが必要
  • 国民健康保険では、加入手続きをする、しないにかかわらず強制加入であり、保険料が発生する
    ただし、国民健康保険の保険料の対象は、その月の末日に加入している方のみ
  • 国民健康保険の加入では14日以内の手続きが必要で、それを越えると、それまでの医療費負担の払い戻しができなくなるので要注意。
  • 任意継続と国保への切り替えを比べると、多くの場合、任意継続のほうが保険料は低めになる
  • 扶養への切り替えの手続きは、被保険者が会社などへ書類を提出
  • 保険切替中の病院受診では全額自己負担であり、保険証を得た後、払い戻しができる。

会社を退職、就職するといったタイミングで保険証も変わりますが、この中でも気をつけたいのが、自ら積極的に手続きを行う必要のある国民健康保険です。

国民健康保険は14日以内に加入手続きが必要で、それを越えると、それまで支払った医療費の払い戻しができません。

まぁあとで良いや、などと気楽に考えていると、いつの間にか14日過ぎていた!しまった!などとなっては後の祭りです。

手続きはいろいろと面倒ですが、いざという時に必ず必要となる保険証の手続きは、何を置いてもすぐやるぐらいの勢いでしておきましょうね。

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