社会保険料の一発計算シミュレーション!標準報酬月額の算出方法と等級の一覧表

2016/09/03

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会保険料には、健康保険料や厚生年金保険料などがありますが、さて、給料からどれぐらい引かれるかが良く分かりません。

健康保険料や厚生年金保険料は、実は報酬(給料)の額面ではなく、「標準報酬月額」というものが用いられるんですね。報酬によって「等級」が決まり、「標準報酬月額」も決まります。

ところが雇用保険料になると、この「標準報酬月額」ではなく「報酬自体」に保険料率がかかってくる、といった複雑さ。

ここでは一発計算シミュレーションで、これら社会保険料がどれほどになるものか、また、報酬から決める標準報酬月額や等級の一覧表はどうなっているかを見てみましょう。

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社会保険料の一発計算シミュレーション

社会保険には

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険

がありますが、このうちの最初の2つ、健康保険と厚生年金の保険料の計算には「標準報酬月額」が使われます。
(雇用保険料は標準報酬月額ではなく、報酬に対して計算される)

「標準報酬月額」には等級がありますが、詳しくは以下のシミュレーション以降を見てみてください。

※)健康保険料については、協会けんぽの場合です。
※)健康保険組合の場合は、保険料率が異なってきます

情報の入力

報酬(給料)

年齢

39歳以下
40歳~65歳

会社の場所

一般/坑内員・船員

一般の被保険者
坑内員・船員

仕事の内容

一般の事業
農林水産・清酒製造の事業
建設の事業

ちなみによく質問のある「扶養の人数によって社会保険料は変わるのか?」では「扶養の数ではなく、所得によって変わる」となります。

扶養の数が増えたりすると家族手当などが変わるでしょうし、そういった意味では所得に増減があるため、社会保険料は変わる(影響がある)、ということは言えますね。

標準報酬月額とは

ここに出てきた「標準報酬月額」とは、健康保険や厚生年金保険などの社会保険料を計算する時に用いられる報酬の基準値。

標準報酬月額は、4月、5月、6月の報酬の平均で決まり、その年の9月から翌年8月まで1年間固定されます。

  • 標準報酬月額
    • 4月、5月、6月の報酬の平均で決まる
    • その年の9月から翌年8月まで1年間固定
    • 健康保険や厚生年金保険などの社会保険料を計算する時に用いられる

4月、5月、6月に残業を沢山して給料が増えると、保険料も8月から1年間上がる!ということになりますね。

逆に言えば、この3ヶ月の間は残業をおさえて働くと、保険料も安くなる、ということにもなりますが、実はこの「標準報酬月額」は傷病手当、出産手当の計算にも使われます。

また当たり前ですが、厚生年金保険料の計算に用いられる、ということは、将来受け取る年金も、この標準報酬月額が使われます

  • 標準報酬月額が利用されるその他のもの
    • 傷病手当
      業務以外の病気や怪我で仕事を休む場合の手当
    • 出産手当
      出産前後の一定期間に、仕事を休むため給与が受けられない場合の手当
    • 将来の年金(老齢厚生年金)
      標準報酬月額の平均(平均標準報酬月額)が高ければ高いほど、受け取る年金額は上がる

「4,5,6月は沢山働くと損をする!」「保険料を安く抑えよう!」みたいなことが言われますが、ある側面を見ているだけの意見に過ぎません

こうした「ある部分だけを見た意見」に惑わされないよう、しっかり理解しておきましょう。

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標準報酬月額の「報酬」とは

ここで「標準報酬月額」の「報酬」は何を指すか、というと、ざっくり言って給料です。

残業代は勿論、通勤手当や住宅手当、家族手当、食事手当などの固定的に支給される各種手当も含まれます。

3ヶ月を超えて受け取るもの(年2回のボーナスなど)はこれに含まれません。また一時的な結婚お祝い金や、出張手当などは含まれません。

  • 標準報酬月額の「報酬」の対象
    • 基本給
    • 残業代
    • 毎月固定的に支給される手当
      (通勤手当、住宅手当、家族手当、食事手当など)
    • 3ヶ月を超えない賞与(年4回など)

通勤手当や住宅手当も含まれる、ということから、会社から遠くに住んでいる人、住宅手当が高い人は、それだけ給料を沢山もらっている、と見なされているということですね。

当たり前のようにもらっている通勤手当を必要経費として捉えている場合もありますが、実は法律的には通勤手当の支払いは義務付けられていません。当然支給されない会社もある、ということから、標準報酬月額の対象になる、ということになります。

標準報酬月額はなぜあるか?

なぜ標準報酬月額があるかといえば、健康保険、厚生年金保険の計算のしやすさ、つまり算出する労力を削減している、という形になります。

基準とする期間が4月から6月としているのは、この時期は比較的給料が安定している時期、ということから法律的に定められています。

健康保険であれば健康保険法(第40条、第41条)、厚生年金であれば厚生年金法(第20条、第21条)になりますね。

健康保険料、厚生年金保険料の計算

健康保険、厚生年金保険料は、以下の計算で求めます。

  • 健康保険料 = 標準報酬月額×保険料率
  • 厚生年金保険料 = 標準報酬月額×保険料率

社会保険にはこの他に雇用保険がありますが、雇用保険料は賃金の総額(賞与(ボーナス)も対象)で計算します。

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標準報酬月額と等級の一覧表

標準報酬月額の一覧表です。

健康保険では「健康保険料額表」、厚生年金保険では「厚生年金保険料額表」という表現をされたりしますが、4月、5月、6月の報酬の平均から等級、標準報酬月額が決まります。(固定給がかわったりする場合には見直しがされます)

  • 健康保険:50等級に分ける
  • 厚生年金保険:30等級に分ける

厚生年金では1等級以下は、全て1等級で標準報酬月額は98000円固定。
30等級以上は、全て30等級で標準報酬月額は620000円固定。

標準報酬月額  報酬月額 
健康保険の等級 厚生年金の等級  月額 円以上 円未満
1   58000 0 63000
2   68000 63000 73000
3   78000 73000 83000
4   88000 83000 93000
5 1 98000 93000 101000
6 2 104000 101000 107000
7 3 110000 107000 114000
8 4 118000 114000 122000
9 5 126000 122000 130000
10 6 134000 130000 138000
11 7 142000 138000 146000
12 8 150000 146000 155000
13 9 160000 155000 165000
14 10 170000 165000 175000
15 11 180000 175000 185000
16 12 190000 185000 195000
17 13 200000 195000 210000
18 14 220000 210000 230000
19 15 240000 230000 250000
20 16 260000 250000 270000
21 17 280000 270000 290000
22 18 300000 290000 310000
23 19 320000 310000 330000
24 20 340000 330000 350000
25 21 360000 350000 370000
26 22 380000 370000 395000
27 23 410000 395000 425000
28 24 440000 425000 455000
29 25 470000 455000 485000
30 26 500000 485000 515000
31 27 530000 515000 545000
32 28 560000 545000 575000
33 29 590000 575000 605000
34 30 620000 605000 635000
35   650000 635000 665000
36   680000 665000 695000
37   710000 695000 730000
38   750000 730000 770000
39   790000 770000 810000
40   830000 810000 855000
41   880000 855000 905000
42   930000 905000 955000
43   980000 955000 1005000
44   1030000 1005000 1055000
45   1090000 1055000 1115000
46   1150000 1115000 1175000
47   1210000 1175000 1235000
48   1270000 1235000 1295000
49   1330000 1295000 1355000
50   1390000 1355000 以上

標準報酬月額の推移がおもしろい

では最後に、厚生労働省が公開している平成元年からの「標準報酬月額の推移」を見てみましょう。

今の時点(2016年7月)では、平成26年までしかデータがありませんが、その推移から給料の推移として見れます。

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さてどうでしょうか?

男女の開きが非常に大きいことが分かるとともに、2008年から2009年にかけてガクッと落ち込んでますね。これはご存知リーマン・ショックの時期と重なります。

アメリカの投資銀行「リーマン・ブラザーズ」が2008年9月15日に破綻して、それを契機に世界的な金融危機が生じてます。

今年(平成28年)もイギリスのEU離脱に端を発してEU諸国の混乱からの経済低迷、中国経済の減衰からの混乱が予想され、また更に下降していく可能性が大きい、というところが怖いですね。

実際のデータは以下となります。(厚生年金保険・国民年金事業の概況

年度
(西暦) 
標準報酬月額  
平均 男性 女性
平成元年(1989) 261,839 305,200 172,036
平成2年(1990) 273,684 318,682 181,493
平成3年(1991) 284,362 330,566 190,914
平成4年(1992) 291,145 337,142 198,458
平成5年(1993) 295,125 340,798 203,125
平成6年(1994) 303,611 351,140 207,696
平成7年(1995) 307,530 355,607 210,526
平成8年(1996) 311,344 359,836 213,720
平成9年(1997) 316,881 365,532 217,624
平成10年(1998) 316,186 363,777 218,915
平成11年(1999) 315,353 361,901 220,278
平成12年(2000) 318,688 365,917 222,587
平成13年(2001) 318,679 365,143 224,311
平成14年(2002) 314,489 359,249 224,292
平成15年(2003) 313,893 358,875 224,394
平成16年(2004) 313,679 358,607 225,663
平成17年(2005) 313,204 358,118 226,582
平成18年(2006) 312,703 357,549 227,439
平成19年(2007) 312,258 356,597 229,030
平成20年(2008) 312,813 356,898 230,952
平成21年(2009) 304,173 345,077 228,710
平成22年(2010) 305,715 347,212 229,876
平成23年(2011) 304,589 345,700 230,085
平成24年(2012) 306,131 347,494 232,046
平成25年(2013) 306,282 347,276 233,482
平成26年(2014) 308,382 349,735 235,763

今回の整理とまとめ

  • 「標準報酬月額」とは、健康保険や厚生年金保険などの社会保険料を計算する時に用いられる報酬の基準値
    • 4月、5月、6月の報酬の平均で決まり、その年の9月から翌年8月まで1年間固定
    • 傷病手当、出産手当の計算、将来受け取る年金額の計算にも使われる
  • 「標準報酬月額」の「報酬」はざっくり言って給料。
    残業代は勿論、通勤手当や住宅手当、家族手当、食事手当などの固定的に支給される各種手当も含まれる

  • 健康保険料 = 標準報酬月額×保険料率
    厚生年金保険料 = 標準報酬月額×保険料率

標準報酬月額は、単に社会保険料の計算に使われるだけでなく、将来受け取る年金額にもつかわれます。

単純に、保険料を下げたいから4,5,6月の働き方を抑える!といった考えは短絡的にもつながりますので注意したいところですね。

こうして色々とみることで、また1つ保険料の秘密がわかります。^-^)

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